加藤隆明

Kato Takaaki

 

加藤隆明展

Kato Takaaki solo exhibition

 

2023/12/11 - 12/23

11:00 - 19:00(土日17:00まで)

※水曜定休日

  

 

  彫刻、造形、立体等を素材としての作品は、素材とそれが所有する物語とは密接に関わる。

人間と無関係に存在したもの(石、樹木などの自然)と人間が製造したもの(鉄、ステンレスなど人工物)それらを表現の素材としてきた。

  その素材には表現する人の思惑が及ばない素材の物語がすでにある。

私が選択する素材は、自然でありそして人工生物、生体との関係から生まれる鉱物など

を使用している。そこには「支配するー支配される」事象を超えて現れる形態があるように考えている。

  ダダイズム・シュールレアリズムが生み出したオブジェは客体として現れる。

人間が作り出した道具(支配されるもの)が複数組み合わされ使用不能になった時(ゴミあるいは

作品)それはオブジェ(客体)となり人間の手を離れ世界に自立する。

私の作品はその延長にあると考えている。

                                                                                                                                        加藤隆明

 

使用素材について

 

カイコ(繭)

  カイコ(Bombyx mori)は人間が高級な衣料素材であるシルク(絹)を得る目的で飼育

されている昆虫である。長年飼いならされてきたカイコは、現在では、自ら餌である桑を

探し回る能力は退化するとともに、成虫になっても飛ぶことができず、人間の世話なしに

は生きていくことが不可能な、究極に家畜化された生物となっている。

           ― 生物の科学 遺伝 特集バイオミネラリゼーション P9 ―

 

真珠 ―生体鉱物―

 真珠は貝類によって作られる生体鉱物であり、加工を施さずとも非常に美しい輝きを放

つことから、太古より宝石として人類に珍重されてきた。真珠は、真珠の輝きを有する真

珠層を貝殻内側表面に形成する貝類が、侵入した異物から軟体部を保護するために異物を

真珠層で覆うことによってできる偶然の産物である。

 

 

                        ― 生物の科学 遺伝 特集バイオミネラリゼーション P36 ―