岡本 健作

Okamoto Kensaku

 

近代の地肌

Modern Texture

 

2024/04/08 - 04/20

11:00 - 19:00 (土日17:00)

※水曜定休日

 

私は「オタク的フェチズム」をテーマに、鉄や機械の表面をモチーフに作品を作っています。それらは紙や絵の具などによって制作をしています。

そういった本物とは異なる素材によって、わざわざ制作するという熱意は私自身が鉄道オタクであるという、業がなせるワザです。

沖縄県出身の美術家であるカズオオシロは、キャンバスを箱状に組み、そこヘアンプや電子レンジなどを精巧に描き込み、まるで本物がそこにあるかのような作品を制作しました。それらの作品群は、アートが目指しているものは抽象概念の表現であるという認識のもとに立ち、そういった抽象概念を表現するにあたって、1960年代の抽象表現主義で「たぶんそこで1回幕が下りるような気がする」としながらも、絵画の表現の可能性を追求した結果あるものです。

オオシロは「アノニマス」な作品を作りたかったといいます。そこには表現者としての特権的主体を抑えた表現が見られます。

私の表現の原動力は「オタク的フェチズム」です。これは、「私はこれがすきだから、ほら見てくれ」といったもので、そういった意味では絵画に作者の主体性を取り戻すことなのかもしれません。

鉄道オタクは鉄道が好きでありながらも、その好きであるという感動を何度もなぞるために、写真を撮り、音を録り、模型を制作します。「なぜ感動するのか」という本質には抽象概念があるかもしれませんが、その行為の本質はその感動をなぞり続けることにあります。

そういった意味で、私の作品は模型をつくるような快楽に満ちています。そういった享楽的な文脈を絵画に持ってくることができればと考えています。

 

岡本健作

 

岡本健作

Okamoto Kensaku

1993年生まれ

愛知県出身、大阪府在住

関西学院大学総合政策学部卒業

関西学院大学大学院社会学研究科博士課程前期課程修了

鉄や機械に感じる近代性を美と捉え、美しいと感じた感情を再生産する手段として、紙と絵の具を用いて作品を制作している

 

[個展]

2021

「鉄路の下で」(Awaiya Books/大阪)

2022

「鉄を眺めて」(gallery yongou/大阪)

2023

「鉄を眺めて」(gekilin./大阪)

 

[受賞]

2022

「Osaka Indecompe」 2022 gekilin.賞

 

[展示]

2019 

第3回「アラタパンダン展」(名村造船所/大阪)

2021 

グループ展「テクスチャーの快楽」(SUNABA GALLARY/大阪)

二人展「鉄と風景」(カフェギャラリーきのね/大阪)

2022

グループ展「抽象の庭皿」(SUNABA GALLARY/大阪)

「HANSHIN Art-Meeting」(阪神梅田本店/大阪)

「ART!ART!OSAKA」(大丸梅田店/大阪)

「OSAKA LAUGH & ART 2022」(大阪市中央公会堂/大阪)

カフェギャラリーきのね店外企画「揺景」(能勢電鉄車両貸切)

2024

「OSAKA ART MARKET」(グランフロント大阪/大阪)

 

グループ展「MAX-Q」(カフェギャラリーきのね/大阪)